委員長はエッチでした
第5章 真面目なだけじゃない
早く終わらせたい
思いがあったのか
「終わった〜」
とノートを閉じようとして
黒崎に
ペンで指摘されてしまう。
「ここ、もう一度良く考えてみて?」
さすが学級委員長だなっ
賢すぎて
他の人の
間違いにも
すぐに
気付くわけだっ
慌てたから
単純ミス
すぐに気付いて
書き直す。
くっそ
こんなことで
惚れなおす自分が
なんだか
悔しいんですけどっ
よし
今度こそ
終わったよっ
教科書を片付けて
ふと
黒崎を見れば
同じように
すでに片付けて
あたしを
真正面から
じっと見ている
黒崎の視線と
ぶつかる。
「彩香さん……っ、すごい、集中力……っ
可愛い……っ
俺、ずっと見てたのに……っ」
肩を揺らせて
笑ってる
一瞬むっとしたけど
黒崎の
そんな
素直な笑顔は
始めて見て……
はっきり言って
見惚れてしまったの。
それと
同時に
どうしてだか
泣きそうになって……
大人しくて
人に慣れない
子犬を
やっと
手懐けたような……
達成感?
「そんな顔して、笑うんだ?」
あたしだけに
見せる笑顔。
嬉しくて
立ち上がって
黒崎の頬に
キスをした。
「……っ!
彩香さん……どうして、そんなに、いつも、
煽るの……?」
唇を離して
触れたのは
一瞬だけだったのに
黒崎の顔が
カッと赤くなり
怯んだのは
一瞬。
確かに体は
離れたのに
テーブルに
手を付いて
黒崎が立ち上がって
真っ直ぐな瞳が
妖しく
輝いたのが
目に入った。
鋭い光が
しっかりと
あたしを捉え
唇が重なった。
最初は軽く。
ゆっくり
あたしの隣に
移動して来て
また
唇が重なる。
今度は
激しく。
あ……
黒崎に
食べられてしまう……
そう
思ってしまうような
キスだった……
「俺は……これでも、ずっと、我慢してたのに
……っ、大事にしたいのに……どうして、
こんなに……
こんなこと……駄目なのに……っ」
何度もキスをされて
激しく
舌も絡められて
黒崎の
いったいどこに
こんな
激しさがあるのか
びっくりして……
ただ
びっくりして……
黒崎の腕に
ぎゅっと
抱きしめられた。