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PH山田の伝説

第5章 感覚を掴むまで

俺はこの時2つの事に注意していた

絶対に葉子に悟られない様に過ごす

葉子が目の感覚を切り替えるタイミングを見逃さない
この2つに注意

俺は迎えに来た葉子の車に乗ると葉子が「自宅に寄る?」

俺は「今日は大丈夫だよ」
「じゃあ夕飯の買い出し一緒に行こう でも家帰らなくて平気なの? そりゃ私は一緒にいられたら幸せだけど無理しなくて大丈夫だよ」

「俺も葉子と一緒に居られたら幸せだから まぁ家族はうるさいけどね」

「今日は仕事早く終わらせたんだ」と機嫌良さそうにタバコに火を着けた

この時は至って普通で特に大きな変化は感じられなかった

しばらくしてショッピングセンターに着くと葉子はいつもの様に俺の手を取ろうした

しかし俺は予想していた為すんなりと店の中へ入れた
またこの間と同じ様に片手でカートを操るはめになった

よくよく考えて見ればただのバカップルなのだか自分たちか幸せな内は案外気が付けないものだ

葉子が腕を取ろうとした時も特に表情に大きな変化は無かった

その前に本当に変化するのかと一瞬考えてしまったがそんな考えは心の奥底にしまいこんだ

今日の朝食でも思ったが葉子は調味料に厳しい

フレンチトーストにシナモンを知ったのはこの日が初めてだった

今まであまり好きでは無かったがこの日を機会にシナモンが少し好きになったのを覚えている

「そう言えば葉子は独り暮らしだけど家族は? こっちに居るの? その前に地元?」

いつもは質問しない俺がいきなり突拍子もない質問をしたのに驚いたのか葉子は不思議そうな顔をして答え始めた

確かに表情の変化はあったが俺がしていたと言われる目でないのは一目で分かった その理由は俺がドキドキしたり違和感を感じたりしなかったからだ

「私の実家は私の家からそう遠く無いよ 最近じゃあ滅多に帰る事はないけどねまぁカズくんともっと仲良くなったら一緒に挨拶来てくれるよね」

俺は内心ドキドキしていたが余裕ぶって「もちろんだよ ただ葉子が嫌じゃ無きゃね」

結局買い物中に葉子の目の変化は確認出来なかった

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