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アイシカタ

第1章 Kiss




「そういえばあの女優のさ…」


「観た観た!やっばいよねー…」


「いやあれより…」


キス魔の話題から飛んで飛んであの女優のあのシーンがキレイだのこのシーンがエロいだの、くだらないことを話している。


俺もすっかりカレーパンを食い終わって二人の会話に参加していた。


時間が過ぎるのは早いもので、気がついたらもう昼休み終了5分前の予鈴が鳴った。


「あれー次ってなんだっけ?」


「英語ですよ」


「あ、宿題やってない!おれ今日当たんじゃん!」


「はいお疲れ様でした」


「ええー…翔ちゃーん…」


ニノに見限られると、悲しそうな目で俺の方に歩いてきた。


「…3分で書けよ?」


「はいっ!ありがとうございますっ!」


餌を与えられた犬みたいに俺のノートに縋り付く。


…目凝らしたら尻尾見えるんじゃね?


と思ったがさすがに人間だったらしくそれらしいものは見えなかった。


「ねえねえ翔ちゃん、これなんて読むの?べ…カウ、セ?」


「Becauseだよ、ビコーズ」


「Becauseかぁ。そんなのもあったね」


いやいや雅紀、これは中学生…いや小学生でも読める簡単すぎる単語だぞ?


とは思ったが純粋な目をしている雅紀を見て飲み込んでやった。

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