いとしいとしというこころ
第13章 この胸のときめきを
後ろから抱きしめられたままだったけどさすがにこのままという訳にもいかなくて雅にいが腕の力を緩めて歩き出す。
キスした
人気の少ない道とはいえ道端で。
いや。
道端とか外とかそういうことじゃなくて…だ。
雅にいとキスした。
“すき”って言った。
頭の中で色々と浮かんだことに思いを巡らせて。
小さい声で俺を呼ぶ。
「和くん…」
「うん?」
「今まで隠してて、言わなくて、ごめんね。」
「…俺が無理矢理言わせたね…。」
手放しで喜んでいいのかという思いが顔を出したからやっぱり不安になった。
すると俺の手を握って、
「違う。
ずっと言おうと思ってた。
こないだ和くんを傷つけて悲しませてから…
ずっと。」