いとしいとしというこころ
第13章 この胸のときめきを
家に着いてちゃんと俺が玄関に入るのを見届けた雅にい。
まだ誰も帰って来てない家がシーンとしてる。
「もう、おばちゃんか、にいちゃんが帰って来ると思う。」
雅にいが俺の頭を撫でて優しく微笑んだ。
俺を見て笑ってるのが、ただそれだけがすごく嬉しい。
「そう?すぐ戸締りしてよ?
おやすみ。」
「おやすみ。
家に着いたらメールして?」
「わかった。」
玄関のドアを閉めて、多分、俺がカギを閉める音まで確認した雅にいが歩き出した音がした。
ばかみたい。
ばかだって思う。
でもいい。
もういい。
すぐドアを開けて外へ飛び出して音に振り向いた雅にいに抱きついた。