いとしいとしというこころ
第13章 この胸のときめきを
「わっ!」
体勢を崩してよろける雅にいにぎゅーぎゅーにしがみつく。
「ごめん。
離れたくない。」
雅にいの胸に顔を擦りつけて、好きって気持ちがパンクしそうなくらいに膨らんでくる。
こんな幸せなのってある?
「ばか。
もう誰か帰って来るでしょ?」
そう言ってるけど雅にいも抱きしめ返してくれて。
足音が近くに聞こえてパッと離れた。
……
にいちゃん…
見てた…?
「…おお、雅紀…
今日はありがとう…」
冷静、平静を装ってる翔にいに申し訳ないという思いとは別に、ちょっと笑いたくなってきた。
雅にいは思いっきり目線を泳がせてる。
「翔ちゃん…
…おかえり。
見てた…?…よね?」