いとしいとしというこころ
第16章 『リフレイン』…1
その次の日。
昨日より少し遅く。
16時過ぎた頃。
ふらりとにのがやってきた。
「二宮さん。お疲れ様。」
「…にのでいいよ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
「ございます、もいらない。」
「あっ、はい。」
「はい、じゃなくてー。
うん、ね。」
「え?」
「うん!」
って言って、
同じように言えという仕草。
目を大きく開いて口をパクパクさせるのに合わせて、
「うん!」
と言うと、
「それ。」
ふふふ、って笑うにのの声。
この声、好きだな。
「なんか美味しそうなケーキあったよ?」
差し入れを俺へ持ってきてくれた。
「好きなんだってね。潤くんが言ってた。」
「うん、最近、甘いの好きで。」
一緒にコーヒーでも、と誘ったところでお客さん…スタッフが2~3人やってきた。