いとしいとしというこころ
第4章 和くんの過去
「俺の先輩でガタイのいい人がいてさ。
その人に後から聞いたの。
和、その人に護身術とかボクシングとか教えてもらってたんだって。」
「和くん、がんばったんだね。
えらいね。」
「おお。あんな可愛い顔して…
狙われるけどな。」
ブラックジョークが出て、いけね、って。
そんな翔ちゃんも素敵だと思う。
「翔ちゃんも、がんばってるね。
えらい。」
「お、雅紀に褒められた!」
笑い合えたところで、翔ちゃんが、ごめんな、引き止めて長々話して、って。
「ううん。
俺こそ知らなかったとはいえ、ごめん。
和くんのことは俺も守ってあげたい。」
「ありがとな。」
俺の携帯が震えて見ると和くんから。
『帰り着いた?
今日はごめんね。
また遊ぼうね!』
ふふふ。
和くんからだと告げると、俺にはぁ~、ってオーバーに泣くポーズをした翔ちゃん。