いとしいとしというこころ
第4章 和くんの過去
少し肌寒いけど月が綺麗な夜。
空を見上げながら、
和くんを思いながら、
夜道を歩く。
このことはショックな話だけど、
今までと変わらず俺は和くんのことが大好きだし、翔ちゃんに話したように出来ることなら俺が守ってやりたい。
和くんも今まで通り、俺と仲良くしてくれるといいな。
『和くん。
今日はごめん。
今度から気をつける!』
メールを送って、自分に喝を入れるように頬をパンパン!と叩いてあと少しの帰り道。
駆け足で家へと向かう。
『ありがとう。』
たったひとこと。
和くんの可愛い優しいメールが届いたのは気づかずに。
帰り着いた家の中でそれを見た俺は、さっきの翔ちゃんのことを笑えないくらいの破顔だったと思う。