いとしいとしというこころ
第8章 友達の弟
「翔くんから聞いた。
和のこと聞いたんだって?」
「うん。」
「今あんな明るくしてるけど、その時は笑顔なんてなくなって。傷ついてた。
引きこもったしね。
だから今、雅紀とも仲良くなって、バイトしたりして、すごくいい傾向。」
「そうなんだ。」
松潤は話を続ける。
「バイトも遅くならなきゃいいけどな。でも危ない目に遭うのは夜だけとも限らないからね。キリがないよ、心配しても。
塾の頃は翔くんたちが都合が悪い日、俺が迎えに行ったりしてたんだ。」
「そっか。」
なんとなく次に松潤の言うことがわかって少し身構えた。
「今だと俺は出番ないね、きっと。」
「…。」
「和、雅紀を大好きみたいだし。」
「!」
その好きの意味が友達とか弟とかのくくりで言ってるのか真意を測りかねる。