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いとしいとしというこころ

第9章 できた溝



1時間も走っただろうか。

目的地であるバーベキューの出来る公園に着くと翔にいが家から持って来た野菜の入った袋、スーパーで買った肉や貝類の入った袋、紙コップや紙皿の袋を次々に掴んで渡すのを、みんなで持つ。

「あ、やべ。飲み物忘れた。」

翔にいが近くのコンビニに行ってくるって運転席に戻ると潤にいも付き合うと助手席に乗り込んだ。

先に行って準備してて、って翔にいに言われて俺たちは公園の中へと進む。

「和くん、荷物、大丈夫?」

大ちゃんに言われて、大丈夫と返事をしてチラッと雅にいを見た。

「俺、持とうか?」

差し出された手に目がくらむ。

荷物じゃなくて思わず手を出したくなる。

俺、大丈夫かな。

となりを歩く雅にいの近さに途端にドキドキし始める胸。

「平気。」

それだけ言って黙々と歩く俺たちと少し離れてついてくる大ちゃん。

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