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りる綴り Ⅱ

第2章 2017.03.01~


口の中に鉄の味が広がる

なかなか収まる気配のないその味に、さすがにこのままじゃダメみたいだと判断した俺は

口を離し、傷口にガーゼを当てて握っていた付け根にきつくテープを巻いた

「病院行こ。深いから」

「このくらい平気だって…」

嫌がるにのを無視し、半ば無理矢理連れて行った近くの病院

テープのおかげが、散々流れた血は止まってはいないけど溢れる事はなくなっていた

“こんな事くらいで“ と唇を尖らせるにのだけど、なかなか止まってくれない血はショックみたいで

病院に着く頃にはすっかりおとなしくなっていた




*******

「参った……」

“これだけ深いなら縫った方がいいね“
傷口を見てすぐに、医者から言われ
すぐに処置をされた帰り道

にのは包帯の巻かれた指を見て溜め息を吐いた

「こんな大げさになるとはなー…」
「仕方ないよ」

すっかりしょげているにのの背中を慰めるように軽く叩く

「暫く濡らしちゃダメだって」

「うん、だからお風呂は手伝ってあげる」

「え…いや、片手使えるし…」

「だーめ。上手く出来ないんだから!」


にのの怪我は可哀想だけど

ちょっとだけ楽しみが出来たと喜ぶ意地悪な俺が顔を覗かせる

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