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幸せだった日々

第2章 新しい出会い

飲み会が始まって数時間経っても、透夜さん以外とほとんどしゃべれなかった…。。。話したい気持ちは山々なんだけど、緊張しすぎてなかなか自分から話題を振ることができなかった(涙)


日付が変わる頃、そろそろ帰ろうかっていう雰囲気になり、アドレス交換したいな…って思った。なかなか言い出せない私の代わりに、鈴華が


『アドレス交換しませんか?』


って言ってくれて、悠翔さんと颯斗さんのアドレスを教えてもらうことができた。
鈴華に感謝だよー。


みんなお酒を飲んだから代行で帰ることになったけど、5人乗りの車で来たから、代行の人が運転するとひとり乗れなくなっちゃう…。私は電車で帰ろうって思ってたら、


『私、タクシーで帰ります』


鈴華が口を開いた。鈴華がタクシーに乗ったら、心細くなっちゃうからヤダっ!!!


『わっ…私も一緒にタクシーで帰りますっ!!!』


慌てて言うと…


『紫穂は透夜さんたちと一緒に帰った方がいいと思うよ。私が先に降りちゃうから、そのあと紫穂がひとりでタクシーに乗って家まで帰るの心配だし…』


どんな時でも自分のことよりも私のことを気遣ってくれる優しい鈴華。こういう性格見習いたい。


「そうだよー。紫穂ちゃんは俺たちと一緒に代行の車で帰ろうよ。ひとりで家まで帰らせるの心配だしね。鈴華ちゃんのことも心配だけど…」


『私は何回か乗ったことあるので、全然大丈夫です』


透夜さんが言い終わる前に鈴華が口を挟んだ。


「じゃあ…お言葉に甘えて、鈴華ちゃんはタクシー呼ぶね。タクシー代は俺たちが出すから」


その言葉を聞いて、大人だなぁ…って思った。


「紫穂ちゃんのことは俺たちが責任持って送り届けるから安心してね」


悠翔さんが言うと、隣にいた颯斗さんもうんうんってうなづいてる。


『紫穂をよろしくお願いします』


しばらくしてタクシーがお店の前に止まり、鈴華が帰っていった。


透夜さん以外のふたりは初対面だから車の中で気まずいな…って思った。そんな私の心を飲み取ったかのように、車に乗ったらいろいろ話しかけてくれた。


「鈴華ちゃんとは高校からの友達?」


『はい…。同じクラスになったのは高校2年生だけなんですけど、今でも相談に乗ってもらったり一緒に出かけたりします。』

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