その瞳は誰を見てるの?
第3章 その瞳は誰を見てるの? 3
気持ち良さそうに眠っている潤を、ベッドに連れていこうと抱き上げた。
「翔…さん……どこにも…行かないで……僕を…僕だけを…見…て……」
えっ?起きているの?
閉じた潤の目尻から、一筋の涙が流れた。
潤っ…!
ごめん…悲しませてごめん……
俺は…俺は…ここにいるよ……お前の傍に……
また、思いきり抱きしめた。
「ん……っ…しょ…さん…?今日はどうしたの……?」
「お前が…こうさせるんだよ…」
「そう……悪くないね……嬉しい……」
潤も両腕を背中に回した。
「潤…」
「なぁに…翔さん…?」
「お前が欲しい……」
「僕も…あなたが欲しい……」
少しの沈黙…優しいキス…もう止められない…
二人ともベッドになだれ込んだ。