その瞳は誰を見てるの?
第4章 その瞳は誰を見てるの? 4
リビングのソファーに座り、何も頭に入ってこない新聞を広げている。
智くんが起きてきた。
あれ?もう着替えたの?
「しょおくん、おはよ…」
「おはよ、智くん…」
あれ?近づいてこない。
キスされると思ったのに。
「おいら帰るね。ありがと…しょおくん……」
「えっ?ちょっと待って!
これで…これだけでよかったの?」
「一度だけって言ったでしょ?
嬉しかった…しょおくん全部で愛してくれた……」
っ……だから、その目っ!
言っていることと瞳が語っていることが違うんだよ。
「智くん…?俺のモノになりたかったんじゃなかったの?」
「そうだよ…一度だけなれたよ……
ほんとは…もっと……でもっ……」
「智っ…」
堪らずに抱きしめてしまった。
「智くん……
俺のモノに…なってよ……」
「しょおくん…松潤が悲しむよ……」
「じゃ、あなたは悲しくないの…?もう放っておけないんだ…そんな目をした智くんのコト……」
「目なんて…関係ないし、別に……」
「平気じゃないだろ?
卑怯だけど…潤には言わない…言えない……
このまま、ふたりを愛したい……勝手だな……
でももう離せない…ふたりとも……」
「しょおく…ん……っ」
ずっと抱きしめたまま。
どちらからともなく口づける。
そして、
当たり前のように愛し合った。
あぁ……もっと……もっ…と………