その瞳は誰を見てるの?
第5章 その瞳は誰を見てるの? 5
潤にメールをする。
終わったよ
なんか買って帰るから慌てずに来いよ
欲しいものある?
すぐに返信が。
翔さんの好きなものにして
終わったらすぐ行くから!
かわいいヤツ。
買い忘れはないよな…こんなもんか…?
一昨日一緒に過ごしたばかりなのに、やけに久々な気がするのはなぜなんだろ?
今朝まで智くんと一緒だったくせに……
いや…潤が来るんだ。
帰ろう。
今夜は冷えるな…早く帰って部屋を温めておこう。
……くんっ……
ん?誰か呼んだか?
気のせい?
「しょお…くんっ!」
「ん…えっ!?智くんっっ!?ど…どうしたのっ!なんかあった?ここでずっと待っていたのっ?」
「うん…少し待ってた……
今朝別れたばかりだけど、どぉしても会いたくて…気付いたらココにいた……」
智くんの手を取る。
冷たい……ずっと待っていたんだな……
「とにかく部屋へ…」
智くんをソファーに座らせ、ブランケットに包まらせる。
コーヒーを淹れ、まだ冷たい手にマグカップを握らせる。
俺はその手を自分の手で包み込んだ。