その瞳は誰を見てるの?
第6章 その瞳は誰を見てるの? 6
~J side~
僕の背中から抱いてくれてる翔さん。
首筋に静かな寝息がかかり、ちょっぴりくすぐったい。
二人とも裸のまま、お互いの素肌が触れあう感触…とても心地好い。
気持ち良さそうに寝息をたてている。
手の甲をそっと撫でる…少し動く翔さん。
ぎゅっと握ってみる…握り返される。
起きてるの…?
っ……ん………
さすがに起きない。
2日も寝ていなかったみたいだもの。
ねぇ…眠れなかった理由はナニ?
大野さんのコト……?
あのマグカップ、大野さんが使ったんだね。
そして……このベッドも………
翔さん…壊れそうなほど、熱く激しくそして深く愛してくれたね。
でもね、アナタはいつもと違うトコロに触れたんだ。
初めてだった……ソコに触れられたのは……
あの人の……大野さんのイイトコなんでしょ……?
あの人の……悦ぶトコなんだよね…きっと……
触れられた時、なぜだかゾクっとした。
大野さんが頭の中に、ふっと現れた。
それからだ。
僕の独占欲が溢れだして止まらなくなってしまったのは……
「翔さん……翔さんっ……僕だけの…翔さ…んっっ……
誰にも……渡さない……絶対に……ああっ……
誰にも……触らせない……ぅんっっ……
誰も……触らないで……はぁんっ……ああぁ………っ」
気付いたらそう叫んでいた。
翔さんは僕を抱きながら言ったよ。
「俺は……っ、潤だけの……モノだ……はぁっ……くっ……お前…だけの……俺だ……っんあっ……」
信じるよ。
例えアナタが、これからも大野さんのコトを……
抱いたとしても。