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その瞳は誰を見てるの?

第7章 その瞳は誰を見てるの? 7




楽屋のソファーにじっと座っていた。

少し震えながら。



ドサッ!!


「わっ!?なにっ…?びっくりした!」

雅紀が隣にダイブしてきやがった。


「ふふぅーーーしょうちゃん!驚いたぁ?」

「驚くわ!」

お陰で震えは止まったけどな。


いつもデカイ声の雅紀が、珍しく小声で話し出す。


「ねぇねぇ、しょうちゃん?具合でも悪いの?」

「いや、全然……」

「じゃ、お腹でも空いてんの?」

「それほどでも……」

「じゃあ、どぉして元気がないのっ?」

わっ!急にデカイ声に、、、


「あ…あるよっ!すっげー元気、俺っ!」

と、ニカッと笑って親指立てて見せる。


「ん………なんか無理矢理な感じがする。」

げ………なんでコイツはこういう時だけ、勘が働くんだ……!?

頼む……ソレ以上、何も訊かないでくれ……

お前の優しさが痛い……


「しょうちゃんっ、疲れてる時は言ってよねっ!たまにはオレたちのこと、頼りにしてよ!」

「雅紀……あ……ありがとう……」

「じゃ、おっ先でぇ~す!」



なんかスゲーな、アイツ。

少し気分が楽になったかな。


ありがとう……雅紀……




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