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その瞳は誰を見てるの?

第7章 その瞳は誰を見てるの? 7




智くん……俺の言葉を遮った。

潤に聞かせまいとして。


にの……智くんの気持ちを確かめようとした潤を、瞬時に制止した。


誰も傷つかないようにしてくれたんだ。


俺の考えが浅かったのか?

離れた方がいいと思っていたのに。


俺が離れたら、潤の中の俺がいなくなったらアイツはどうなるんだろう?

智くんとにのの前で吐き出した、俺への想いを奪ってしまったらアイツは……


俺が離れたら、智くんの中の俺がいなくなったらあの人はどうなるのだろう?

あの時、言葉とは裏腹にまた、アノ目をしていた。俺を求めている瞳……


俺にだって必要なんだよっ!


潤も智もいるんだよ…っ!


代わりはどこにもいない……っ!


誰でもないんだ………っ!



どう…すれば……どぉ…すれ……ば……いいの…さっ………んっ………


どうしようもない。


溢れでる涙。


止めたいのに、


止められない。



それからしばらく


俺は泣き続けた………





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