その瞳は誰を見てるの?
第8章 その瞳は誰を見てるの? 8
~O side~
しょおくんの部屋へ。
もう安心しなよ。
気持ちが緩んだのか、全身の力が抜けたようによろめくしょおくん。
とっさに支えるおいら。
「ごめん……ありがとう……」
「大丈夫?しょおくん、少し休んだ方がいいよ。」
「ん…少し横になろうかな…」
「そうして。」
リビングの大きめのソファーに横になったしょおくんは、両掌で目を覆って大きく息を吐いた。
おいらはキッチンへ行き、冷蔵庫からミネラルウォーターを出し、蓋を開けてグラスに注いだ。
「ありがとう……智くん……今日はごめん……」
「しょおくん?さっきからずーっと謝ってばっかだよ。おいらには謝るな。」
「あ…ごめっ……あっ…!」
「ふふっ…優しいんだよな、しょおくんって。ま、そこも大好きなんだけど。
みんなの辛さとか悲しさとか、全部わかっちゃうから何倍にもなって、しょおくんがソレを感じ取っちゃうから苦しむんだよ。」
「俺のことかいかぶりすぎだよ、智くんは。」
「そんなことないよ。何年一緒にいると思ってんの?今じゃ、しょおくんだって知らないしょおくんのコトだって知ってるよぉ!」
「あははっ!なんだよそれっ!」
やっと笑ってくれた。
今日初めての笑顔。
おいらの大好きな顔。
微笑むしょおくんの頬に触れる。
その手にしょおくんの手が重なる。
「ありがとう…智く…ん……」
安心したのか、そのままスーッと眠りについた。
綺麗な寝顔。
ここにいるから心配すんな。