その瞳は誰を見てるの?
第10章 その瞳は誰を見てるの? 10
~J side~
ある雑誌の取材で、僕は翔さんと組むことになってる。
今日はその仕事で、ずっと一緒だ。
昨日の一件で明らかになった…と思う。
大野さんは翔さんを愛してる。
翔さんも大野さんを愛してる。
涙が溢れそうだった……
大人になったつもりだったけど、まだダメなんだな……翔さんのコトとなると、もう……
僕はどれだけあの人のコトが好きなんだろう?
昨日は、大野さんと過ごしたのかな……
考えれば考えるほど、気が狂いそうになる。
はぁ…現場に行かなきゃ……
でも今日は、翔さんを独占できる日なんだ。
僕だけのモノにしてやるんだ。
「おはようございます…翔さん……」
「おはよ……潤……悪い…連絡もしなくて……」
「ううん…翔さん、…ごめんなさい……昨日はあんな言い方をして……」
「俺の方こそ………っ」
顔色が変わった気がした。
「ん?翔さん、どうかしたの?」
「い…いや、なんでもない……」
「そう?ならいいや。
今日はふたりだけの仕事だね。僕だけの翔さんでいてくれる?」
掌が僕の頭の上へ。
髪をくしゃっとし、撫でながら言った。
「あぁ、当たり前だろ?
いつでも潤だけの俺だよ……」
「うふっ…嬉しい!今日が楽しみたったんだ。時間も早めに終わるよね?」
「うん、この後打ち合わせが入っているだけだよ。」
「じゃ、先に翔さんの部屋に行って、夕食作っていてもいい?」
「嬉しいよ。是非頼む。楽しみだ。」
僕はにっこり笑って翔さんにウィンクした。