その瞳は誰を見てるの?
第11章 その瞳は誰を見てるの? 11
~J side~
食事の支度は済ませた。
一息つくか。
やっぱり気になるベッドルーム……無意識に足がその方向に向いてた。
ドアを開ける。
いつものベッド。
洗いたてのシーツ。
気にし過ぎなのかな?
バカな僕。
ピンポ~ン♪
玄関モニターのあるリビングまで走る。
翔さんだ!
今度はリビングから玄関へ走る。
勢いよくドアを開けて、大好きな翔さんの姿を確かめた。
「ただいま、潤。」
「おかえりなさい、翔さん!」
ドアを閉めると、すぐに抱き合うふたり。
「翔さん、なんでキー使わなかったの?」
「ふふっ…コレがやってみたかったんだ。
新婚みたいだろ?」
「翔さ…ん……」
思わぬ言葉に嬉しくなって、僕は更にぎゅっと抱きついてキスをした。
ん?唇が熱い。
両掌で翔さんの頬を包む。
「翔さん?なんだか顔が熱いよ…熱があるのかも!?」
「そう?ん、ちょっと怠いけど…」
「早く部屋に入って!」
玄関で抱きしめてくれてた手を解き、背中を押してリビングへ。
コートを着たままソファーに座らせた。
「えっと…体温計どこ?」
「そこのチェストの…2段目?だったかな…」
あった!
「ごめん、ちょっと冷たいかもしれないけど…」
翔さんのコートのボタンを外し、シャツのボタンも外す。
手探りで体温計を翔さんの脇の下に挟んだ。