その瞳は誰を見てるの?
第11章 その瞳は誰を見てるの? 11
pipipipi……
「翔さん、体温計を。」
「ん…大したことないよ。」
「ちょっと貸して……37.5℃……ちょっとあるじゃない…しんどくないの?」
「微熱だから大丈夫だよ。心配いらない。
潤の料理食って栄養つけたら、すぐに治るよ。大分、腹減ってきたから。」
「よかった…無理しないで少しずつ食べて。」
コートを脱がせハンガーにかける。
そして傍にあったニットを羽織らせる。
「さんきゅ。」
「ううん…」
「いただきます。」
「どうぞ、召し上がれ!」
「んんーーー味噌汁美味い。腹の中から温まる。
豆腐と大根も柔らかく優しい味だ。美味い。これなら大分食べられそう。」
「美味いって感じるってことは、体、大丈夫だよね?はぉーーーよかった!」
「ははっ、おまえ心配し過ぎだっつーの。
これも好きな味。マジ美味い……」
「んふ…美味しそうに食べる翔さん見てるの幸せ…」
「ふぅ…お腹いっぱい。まさか、こんなに食えると思わなかった。
潤のおかげ。ありがとう…ごちそうさま。」
「どういたしまして。
はい、薬。ちゃんと飲んでね!」
「さんきゅ。」
あぁ、ほんとによかったよ!
心配したんだからね。
あとは……湯冷めしない程度にシャワー浴びる?
「潤、さっとシャワー浴びてくる。」
「うん、そのまま行って。着替え用意しておくから。」
「すげー気の利くやつだな。ありがと。」
「ううん……」
着替えの準備をする。