その瞳は誰を見てるの?
第11章 その瞳は誰を見てるの? 11
~S side~
「はぁはぁはぁ……潤……どうして……?」
「どうしても翔さんが欲しかったから……
翔さんの全部が欲しかったから……」
潤……
抱きしめる。
潤が壊れそうなくらいの力を込めて。
「翔さん、僕ね今すごく幸せで死んじゃいそう……」
「ばか……死んじゃ困る……俺でいいのか……?」
「翔さんがいいのっ!アナタじゃないとダメなのっ!」
っ……智と同じコトを言いやがる。
潤……愛して…る………
そのまま眠りに落ちて行った。
ん………っ…じゅ……ん……?
隣に眠っているはずの潤がいない。
ゆっくり起き上がる。
スッキリしているから、熱は下がったようだ。
ベッドから出てリビングへ。
いない。
テーブルに置き手紙が。
翔さんへ
熱は下がったみたいでよかった。
今日は入り時間より少し早めに行くので、
先に出ます。
朝食は野菜スープ作っておいたから、
無理のないように食べてね。
柔らかく煮たから大丈夫かな?
あ…昨日はありがと。
すごく嬉しかった。
僕の翔さん…愛してる……
潤
潤……ありがとう……