その瞳は誰を見てるの?
第12章 その瞳は誰を見てるの? 12
智くんと目が合う。
自然と互いの距離が縮まり、唇が重なり合う。
温かくて柔らかい。
決して深いキスではないが、体の芯まで響いたような気がした。
「はぁ……っ、キスってこんなに気持ちよかったっけ……?」
「ふぅ……っ、そうだね…なんだか今日は……凄い感じがする……」
今度はもっと深く。
智くんを抱きしめ、唇から舌に絡みつくキス。
離れてはまた唇を合わせ、今度はゆっくり上唇と下唇を舌先でなぞっていく。
ふるっと震える智くん。
堪らなくなった俺は、智くんをソファーに押し倒した。
「っ……しょ…くん……ここ楽屋だよ……?」
「わかってる……あなたは我慢できるの?俺は…………無理。それに……鍵、かけてあるでしょ……?」
「気付いてた……?」
「それがあなたの答えでしょ……?」
「だから…なんとなく…早く来た……」
頬を赤く染めて頷く智。
「じゃ、何も問題ない……」
我慢なんかできない。
触れたい……触れて欲しい……
「んんっっ……キスは…もう、おしまい……?」
「まだまだ…唇も体も足りない……んっ…」
口づけながらシャツを捲り上げ、胸の敏感な部分を摘まむ。
「はぁ……っ……ん……」
「感じる…?」
「訊かないで…」
「わかってる…けど聞きたい……」
「っ……ん………スゴく…イイ……っ…」
俺はあなたのその声と表情にヤラレている。