その瞳は誰を見てるの?
第2章 その瞳は誰を見てるの? 2
固まってしまった俺。
暫くの沈黙後に、智くんがゆっくり話し出した。
「しょおくん、おいらのこと好きだって言ったよね?メンバー?友達として?
そうじゃないでしょ…おいらと同じ気持ちだったことがあるよね……?」
「……うん……あっ…た……
あの時、なんで好きだってことを伝えられなかったのかなって後悔した。まだ、潤の気持ちに気付いていない頃。」
そんなことを話していたら、智くんとの距離が縮まってきた。
「智くん?あなたのこと、好きだよ…今でもね…愛おしいよ……できることなら、あなたをこの腕で抱きしめたい……
でも……俺には潤がいる…大切なんだ…ってコトもわかっているんだよねぇ…智くん…?」
智くんが柔らかく微笑んだ。
更に縮まる距離。
「わかってるよ…しょおくん……ねぇ……両方手に入れたくない?おいらも…しょおくんのモノにしてよ……」
お互いの唇が重なるまで、あと少しの距離。
「さと…し…く……んんっ………」
智くんの唇が俺のソレを塞いだ。
重なりあったまま、静かに時間が流れる。
お互いにその流れに身を任せた。
智くんの掌が、俺の頬をそっと包む。
瞬間、潤のコトが頭を過った。