その瞳は誰を見てるの?
第14章 その瞳は誰を見てるの? 14
~S side~
「…ゴムの袋だよね?」
その言葉に、みんなの視線は雅紀の手元に集まった。
その直後、すぐに視線を潤に送った。
雅紀の手元から、俺に一瞬視線を移したが、すぐに帰り支度に戻っていた。
「なんだかなぁ。しっかり掃除してくれないと困るよねぇ。全く、、、」
にのが苦笑しながら雅紀に近付き、その掌から袋を掴み取り、ゴミ箱へ投げ入れた。
「ほんとだよねっ!だって楽屋にコレってさぁ、、、ねぇ…そういうコトあったってことじゃない?」
気持ちとは裏腹に、普段通りを装った。
潤とも智くんとも、目を合わせられない。
「誰が使ってたんだろ?俺らの前……」
「わからないけど、どーでもいいじゃん?」
「乱れたゲーノーカイ?それとも…真実の愛…?なぁんてね!」
なぜかにのと目が合ってしまった。
雅紀の言葉がずっと頭の中でリフレインしている。
俺は改めて自分の行動の愚かさに、情けなく腹が立った。
欲望に身を任せて…おまけに片手落ち。
俺、投げ捨てたままだった。
バカな奴。
これでも、真実の愛…などと呼べるだろうか?
はぁ……潤……
……でもって、なぜここで"潤"なんだよ。
~O side~
とにかく焦った。
おいら、捨てるの忘れたんだよ。
でも、態度に表しちゃいけない。
しょおくんとの、真実の愛……だよね?
松潤大丈夫かな、、、
確信犯のクセに、やっぱり心配になるんだよね。
なんでかな?