その瞳は誰を見てるの?
第14章 その瞳は誰を見てるの? 14
~N side~
「しょうちゃん、にの、じゃお先ね~」
相葉さん帰るんだ。
「あ、早いのね。お疲れ~」
「雅紀、お疲れ。」
ドアの前で立ち止まった相葉さん。
くるっとこっちを向いて一言。
「全てがうまくいくといいね。じゃあ!」
そう言って出ていった。
僕は翔さんと思わず目を合わせた。
「あいつナニ言ってんだろな……」
外に行くのはやめにした。
「翔さん、僕が今から話すこと…間違ってたらごめん。」
「にの…多分、あってるよ……その話。」
「まだ何も言ってない。違うかもしれない……」
「いいんだ……もう……」
言葉が続かない。
でも話さなきゃ。
「ねぇ、潤くんのことだけど…うまくいってるんだよね?」
「…いってるよ。」
「翔さん…潤くん以外に……好きな人できた?」
「にの…なんでそう思う?」
質問返しか。
「否定しないんだね。やっぱりいるんだ。それって……大野…さん…だったりする?」
「……だったら?」
「……納得がいく。
翔ちゃ…ん……ふたりとも愛してるんだね?ふたりとも…本気なんでしょ?」
「っ……にの…なんで……そんなコト……」
翔ちゃん、震えてるよ。
自分を責めてるんだろうね。
震える手を、僕の両手で包み込んだ。
「遊びじゃなければいいんだ。ふたりとどんな関係を持とうと。ただ、難しいことだらけだとは思うけど。」
「にの…なんでさ……なんで俺を罵らないの…?」
「僕もその気持ちわかるから…相葉さんもわかってる。だからわざと、あんなコト言ったんじゃないかな?」
「ありえない……あっちゃいけないコトなんだ…にの……ごめん……時間が……」
「翔…ちゃん……僕はあなたが心配。」
「ありがとう……にの……悪い……」
いいよ。
僕の大切な翔ちゃんと大野さんの幸せだから。
大好きな人の手にキスをひとつ落として離れた。