その瞳は誰を見てるの?
第16章 その瞳は誰を見てるの? 16
~S side~
右の首筋のシルシ……
智くんが付けたシルシ……
左の首筋のシルシ……
潤がたった今付けたシルシ……
壁を背にして放心状態。
潤は俺に股がったまま体を預けている。
ふたりとも下半身露な状態。
まだ繋がったまま。
左の首筋にあるシルシに短くキスされた。
そしてゆっくり顔を上げる。
瞳を合わせ唇を重ねたあと、潤が下を向いて装着中の自分を確認。
「さすがにこのままって訳にはいかないね…?」
「あぁ…」
そう言って潤は自分のを外した。
少し腰を上げて俺のも外してくれた。
互いにまだ熱を帯びているソレ。。
身なりを整えると、潤がぴたっとくっついてきた。
ベッドで愛し合ったあとのように。
さっきまであんなに強気だったのに、潤の瞳は涙が溢れそうなのを堪えている。
イタズラっぽい笑みも、消えてしまっていた。
「潤……おまえを傷付けてしまったよな。辛い思いをさせてしまったよな。
すまない…本当に……すまない……だけど潤、どうしても聞いてほしい。
俺は潤のこと、心から愛している。大切なんだ。もしも、おまえを失ったら……俺はおかしくなってしまう。
勝手なのはわかっている。それでも…どうしようもないほど、おまえが好きなんだ……」
「翔さん…ほんと…?信じたい……信じてもいいの……?ココで…半ば無理矢理しちゃうほど……僕はアナタに夢中だよ…今更だけど……」
「俺だってそう。お前を抱いていて…離せない…離しちゃいけないって……この気持ちは変わらない……信じてほしい……」
「でも………
大野さんのことも大切なんでしょ……?」