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その瞳は誰を見てるの?

第16章 その瞳は誰を見てるの? 16




いよいよ核心に触れられた。

潤…包み隠さずに話すよ。

軽蔑してくれても構わない。


「っ……智…くんのこと……大事な人なのは確かだよ……

 まだ潤と付き合う前…その頃、俺には好きな人がいた。それが智くんだった。でも、潤のことが気になって、かわいくてしょうがなくて…そんな時にお前から告白された。
嬉しかった…俺も気になっていたからね。

 だけど、智くんとの距離が近くなったのも事実。潤が疑っていたことも…事実。裏切ったんだ……大切なお前を……

 おんなじ瞳で俺を見るんだよ……おんなじ気持ちで俺は見ているんだよ……ふたりのこと………

 潤と智は、俺の…絶対なんだ……我儘なこと言ってるよな……でもっ……これが真実なんだっ……ふたりが愛おしくて愛おしくて…堪らな…い……

 どうにもならないんだぁ……っ……」


気付けば俺の目からは、ポロポロ大粒の涙が零れ落ちて止まらない。


初めて潤に吐き出したこの想い。

お前を困らせているよな。

お前のことを壊してしまいそうだ。

大切なのに…愛しているのに……


俺が壊れてしまえばいいのに。



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