欲望ベイベー
第13章 幸せバカップル。
M side
俺を引っ張って胸に抱きとめた翔くんが、青年を思い切り睨む。
S「てめぇ、コイツに手出そうなんか思うなよ?!殺すぞ!」
「すみません!!」
いや、謝んなくて良いだろ。
M「翔くん言い過ぎ!
この子はカズのファンだから。
ちょっとテンション上がって話してただけだよ?
カズの可愛がってる後輩ビビらせないでよ。」
S「テンション上がったからって、潤に触れて良い理由にはならねぇだろ!!」
M「落ち着いてよもう・・・」
S「落ち着いてられっか!!
お前も簡単に触らせんなよ!!」
M「翔くん、良い加減にして。」
S「すみません。」
「え、謝んの早っ。」
S「なんだとコラ!!」
「なんでもないです!!すみません!!」
もう・・・若い子相手に何本気になってんだよ。
ホントこういうとこ子どもなんだから。
S「だけどさ、潤。お前は俺が他の誰かと手を握り合ってても平気なのか?」
少し拗ねたような表情の翔くん。
この顔、結構好きなやつ・・・
ズルいよね、こんな可愛い顔するなんてさ。
M「平気じゃないけど・・・
しょうがないもん、我慢する。」
スキンシップでいちいちヤキモチ妬いてたら身が持たないし・・・
S「潤・・・」
M「なに?」
S「なんていじらしいんだお前は・・・!!」
M「は?!」
ガバッと抱きつかれて焦る。
みんなコッチ見てんじゃん!!
M「ちょっと!離して、」
S「我慢なんてしなくて良いんだぞ!
ヤキモチは妬いてもらって大いに構わない!」
M「分かったから離して、」
S「潤、好きだよ♡」
M「なっ・・・」
ニッコリと王子様のような笑顔で、甘々な声で・・・
綺麗な瞳に見つめられて一気に体中が熱くなる。
うっとりするくらいカッコ良いけど、
俺も好きだって言いたいけど、
優しいキスが欲しいけど・・・
M「はっ離せって言ってんだろ!!
バカじゃないの?!」
皆の注目を集めている今、翔くんに甘えられるハズがない。
ドンっと翔くんを突き飛ばしてソファに逃げる。