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欲望ベイベー

第14章 待ってるってしんどいの。




なに、俺らって倦怠期?



・・・いや、毎日一緒にいるんだ、俺らだってラブラブカップルだ。



きっと今日だって仕事が終わった時すぐに連絡をくれてたハズ。



N「あ、」



A「え?」



N「俺のスマホ、持ってきてくれてないの?」



A「あー・・・ゴメン。」



玄関前まで帰ってきてたんだし、ちゃんと頼んでおけば良かった。
でも、良く気が利く優しい相葉さんだったら持ってきてくれそうなのに・・・



A「実はさ、」



少し言いにくそうに、というか恥ずかしそうに口を開いた相葉さん。



N「・・・なに?」



A「俺、いま家の鍵持ってないんだよね。」



N「は?」



A「にのちゃんに鍵渡したじゃん?
合鍵あったはずなんだけど見当たらなくてさ〜、どこいったのかな。」



呑気にビールに口を付けながら呟いてるけどさ。
鍵無くすってマズイだろ。



ていうか・・・



N「家、入れないの?」



A「うん。」



N「・・・・・。」



俺に鍵を渡してから、相葉さんは家に入れなくなった。
つまり、毎日仕事終わりに電話をくれていたのは・・・



俺がどこにいるかじゃなくて、鍵がどこにあるかの確認だったってわけ?



俺(鍵)が相葉宅にいるなら自分の家に。
俺(鍵)が二宮宅にいるなら俺の家に。



・・・ただ単に、家に入るため。
俺に会いたいから一緒に居るわけじゃなかったんだ。





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