欲望ベイベー
第15章 好きすぎて。
S side
S「俺とニノがどうにかなる訳ねーだろ!
ニノが上半身裸なのは水が零れたからだ!
ちなみに布団が濡れてんのも水だからな?!」
A「ほんとにー?何か翔ちゃん疲れてるし、にのとイチャついてたんじゃ・・・」
S「疲れてんのはお前のワガママ彼女の相手してたからだ!!」
N「ワガママ?!」
A「くふふ。」
N「なに笑ってんの!!」
S「俺には無理だ。手に余る。
来るのおせーんだよ雅紀!」
A「ゴメン、俺が追いかけなきゃいけなかったのに。」
S「全くだ。」
A「にの、泣いてたんだって?」
S「ああ、まぁ・・・」
チラリとニノに目をやると、こちらの会話を聞いていない風を装って新しいスウェットに着替え始めた。
あいつは何に拗ねてんだろうなー・・・
難しい奴だよ・・・
A「ありがとう翔ちゃん、そばにいてくれて。
俺、意地悪しちゃった。」
S「意地悪?」
A「にのが俺に怒った時、泣けば良いって思っちゃったんだ。
追いかけて、抱きしめてやらないとにのは泣くだろうって分かってたのに・・・」
ピクリとニノが動きを止めた。
後ろ姿だけど、動揺しているのが分かる。
A「俺、自分がこんなヒドイ奴だと思ってなかったよ。
恋人を泣かせたいなんて・・・」
S「泣かせたいって、何で・・・」
雅紀は人を傷付けるのが嫌いな優しい奴だ。
それはニノに対してももちろんで、優しく包み込むような愛情で接していると思っていたんだけど。
A「・・・たぶん、好き過ぎるんだよ。
それに、にのも俺と同じように、俺を好きでいてくれるから・・・
泣かせても、にのは俺から離れないって自信持っちゃったのかも。」
S「・・・すげぇ発言だな。」
A「だよね。笑
それに、にのの泣き顔が結構好きなんだよね・・・
興奮しちゃうっていうか・・・」