欲望ベイベー
第16章 プレプロポーズ。
堪え切れない。
ポロポロと溢れ出した涙に押されて、絶対に言うまいと思っていた言葉も溢れ出す。
N「何で一緒に暮らそうって言ってくれないの?!
指輪くれないの?!
プロポーズしてくれるって言ったじゃん!!
愛してるなんて言葉ばっかり、そんなの要らないもん!!」
呆気に取られている相葉さんをドンと押して、今度は俺が馬乗りになって押し倒す。
N「俺相葉さんと結婚したいの!
毎日一緒にいたいの!!
ずーーーーーっと良いコにして待ってるのに・・・
早く指輪ちょうだいよ!!
俺の事愛してるなら、今すぐ指輪買って来い!!」
うわーん!とバカみたいに泣いて、相葉さんの胸に倒れこむ。
腹に溜めてた事全部言ってやったぞコノヤロー!!
A「・・・に、にのちゃん。」
躊躇いがちに、ポンポンと俺の頭を撫でる相葉さん。
A「えっと・・・たぶんどこの店ももう閉まってるから・・・」
N「・・・。」
分かってるってのそんな事。
んな普通に返されて、俺のバカが際立つじゃねーか!
おバカキャラはお前だろ!
バッと顔を上げて睨むと、もの凄くぶっさいくな顔をした相葉さんがいた。
N「何その顔。」
A「へ?!」
N「すっげーブスですけど。」
A「はぁ?!幸せいっぱいの顔をブスってお前・・・!!」
N「・・・・・。」
自分の頬を両手でムニムニと摩ったあと、次は俺の頬に手を伸ばした相葉さん。
優しくて大きな手に包まれて、暖かい。
A「・・・ごめん、俺分かってなかったね。」
くふ、と締まりの無い顔で笑う相葉さんはやっぱりチョットぶさいくだ。