欲望ベイベー
第18章 それぞれの想い。
M side
2人を羨ましいと思うようになったのはいつからだっただろうか。
カズと相葉ちゃんが付き合い始めてすぐだったような気がする。
付き合う前から、お互いを特別に想っていた2人。
出会ってからずっと、当たり前のように隣で過ごしてきた2人には、確かな絆があった。
それは、恋人である以前に、仲間であり、親友であり、家族であり。
2人にしか作れない絆だ。
恋人になる前から、2人を包む空気は愛情に満ちていて。
相葉ちゃんがカズに愛してると言葉にするのも、当たり前な事なんだと思った。
カズは男同士である事に長い間葛藤していたけど、
そんな事は関係ないと思えるくらい、2人が結ばれた事は俺にとっても自然な事だった。
だって、2人が付き合うことになったと知った時、これで2人の絆がようやく完成したのだと嬉しく思ったんだよ。
こんな最強のカップルはいねーだろって。
なんていうのかな、屋台骨がしっかりしてるというか・・・
たぶん、俺だけじゃない。
メンバーみんな、何があっても2人がダメになる事はないと思ってる。
それだけの確かな絆があるんだ。
・・・だからだよ。
相葉ちゃんにとって、愛してるという言葉は自然なモノなんだ。
カズにとっても、すんなり受け入れられる言葉なんだよ。
だって、その言葉は2人が長い間築き上げてきた関係そのものなんだから。
これが、俺と翔くんだったら。
愛してるなんて言葉、翔くんは平常心で言えないだろう。
すっごく頑張った愛の告白になる事は間違いない。
俺だって、もし翔くんに愛してるなんて言われたら。
心臓が爆発するかもしれない。
それくらい、俺たちには非日常な言葉なんだ。
それに気付いた時、たまらなく悔しかった。
2人が、羨ましかった。
醜い嫉妬心。
俺は意固地になった。
その言葉に見合う関係じゃなかったとしても。
どうしても、あの2人と同じものが欲しいんだ。
愛してるって言ってくれたら、一緒に暮らす・・・なんて。
自分でもバカみたいだと思う。
相談だなんて言ったけど、リーダーでも相葉ちゃんでもどっちでもいいから。
翔くんに言っちゃってよ。