欲望ベイベー
第18章 それぞれの想い。
M side
愛してるって言ったら同棲の話進むよって。
簡単だよ、一言で済むんだからって。
こうでもしないと貰えない言葉なんだって、自分で分かっちゃってるのがツライところだけど・・・
でも、長いこと同棲の話を保留にしてるのも、疲れてきたんだ。
一緒に暮らしたいのは俺も同じなのに。
M「もう良いよな。」
デニムのポケットからスマホを取り出して、短いメールを打つ。
“ 翔くんに、俺に愛してるって言えば良いって言っちゃって。”
ほんとは、俺が言わせる事が出来たら良かったんだけど。
送信したら、ちょっと心が軽くなった。
これで具体的に同棲話が進む。
物件は翔くんに任せるとして、問題は荷物の整理だな。
きっと翔くんの分も俺がする事になるだろう。
M「ふふ♪しょうがない人だよね。」
これを機会に、翔くんの仕事関係の書類も一気に整理整頓してしまおう。
綺麗になったら、また翔くん喜んでくれるかな。
翔くんの家に帰ってきてからも、引越しはいつ頃が良いだろうかとカレンダーと睨めっこしてみたり。
なんだか俄然やる気が湧いてきて、翔くんに任せるつもりの物件も色々検索して見てしまう。
M「やっぱベランダ広いのって良いなぁ・・・」
気が付けば、晩ご飯を食べるのも忘れて引越し計画を妄想していて。
翔くんからの帰るよメールがきて驚いた。
M「もうこんな時間じゃん。」
俺、どんだけ同棲したがってたんだ。笑
自分の浮かれ具合に若干引きながら、翔くんの帰りを待つ。
いつ、愛してるって言ってくれるかな。
明日?あさって??
早く聞かせてね。
翔くんが帰ってきたら、今日はたくさん甘えてみよう。
たくさんキスをして、たくさん愛されたい。
そんな俺は珍しいから、翔くん照れちゃうかな?
M「早く会いたいよ。」
呟いた声は、自分でもビックリするくらい甘かった。