欲望ベイベー
第18章 それぞれの想い。
A side
そっと寝室のドアを開けて、中を覗く。
・・・寝てるな。
そろそろとベッドに近付いて、静かに布団に潜り込んだ。
A「可愛い・・・♡」
スヤスヤと寝息をたてる俺の天使。
簡単なモンだからね、なんて言いながら俺の好物を作って待っててくれた。
くだらない話を2人で笑って、一緒にテレビを見て。
あと、ラブラブなエッチして♡
A「幸せすぎて怖い♡」
そっと抱き寄せると、にのの可愛い唇から、ん・・・と吐息が漏れる。
エッチの余韻が残る色っぽい声にあどけない寝顔がミスマッチで、たまらなく愛おしい。
にのに“とびっきりのプロポーズ”を課せられてから、結婚についてずっと考えていた。
にのと恋人になって、一生離さないと心に決めてはいたけど、結婚について具体的に考えた事はなかった。
それはやっぱり、男同士だからなのか。
それとも、単に俺の性格的なものかもしれないけど。
ずっと一緒にいるから、今の状態に満足してしまっていたんだ。
そのせいでにのを悩ませていたのは、本当に男として情けない。
告白をしたのも、キスをしたのも俺からだった。
プロポーズだって、俺からしなきゃいけなかったのに・・・
名誉挽回、にのがキュンキュンときめくプロポーズをしたいと思ってはいるんだけどね・・・
結婚について考えている中で、あるひとつの想いが生まれてしまった。
にのちゃんのウエディングドレス姿を見たい!!!
A「絶対可愛い・・・!!」
プロポーズとは別件だというのは分かっている。
にのが男だというのも分かっている。
でも。
抱き寄せていた体をそっと離して、にのを見つめる。
白くてきめ細やかな綺麗な肌。
華奢な肩のライン。
大きな瞳を縁取る長い睫毛。
ぷにぷにの可愛いホッペ。
A「・・・ぜってー、似合う。」
言っとくけど。
純粋に、にのと結婚式を挙げたいと思う気持ちから、ウエディングドレス姿を想像してしまっただけだ。
けして変態な思考からじゃない。
しかし、さすがににのに言えない・・・
なんせ日頃の行いが悪すぎる俺。
嫌がるにのを何だかんだと丸め込んで、何度かコスプレエッチをした。