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欲望ベイベー

第19章 末ズの憂鬱。




M side



顔を上げたカズは泣いてはいなかった。
少しホッとして、少し憎たらしく思う。



M「カズの方が愛されてるから。」



N「・・・何言ってんの。」



M「相葉ちゃんはお前を愛してる。
大事に想ってる。」



N「なによ、嫌味??
プロポーズされてる人は余裕があるねー。」



M「お前なぁ・・・」



口を尖らせて、完全に不貞腐れている。
ガキかこいつは。



M「カズだってプロポーズされただろ。
やり直し要求するなんて正気か?」



N「知ってるの?!」



M「愛されてるのに、なに変な意地はってんだよ。」



N「だって・・・」



M「どんなプロポーズされたいわけ?」



ちょっとヒント貰うくらい良いだろう。
相葉ちゃんに教えてやろ。



N「別になんでも良い・・・」



M「え?」



なんでもって・・・
ロマンティックなプロポーズを求めてたんじゃないのか?



N「プロポーズするために、俺の事だけいっぱい考えてほしかっただけだもん・・・
シチュエーションなんてどうでも良い。
特別な愛の言葉なんていらないから、早くもっかいプロポーズしてほしいよぉ〜!」



M「ちょ、カズ!」



ついに泣き出したカズに、慌ててティッシュで涙を拭いてやる。
我慢していたせいか、次々に涙が溢れてくるのでキリが無い。



N「強がるんじゃなかった・・・
もう半月経つのに、相葉さんプロポーズしてくんないんだよ?
面倒になっちゃってたらどうしよう・・・
あの時、結婚しよって言ってくれた時に返事すれば良かったよぉ・・・」



クッションを放り投げて、俺にしがみ付いたカズがグズグズと鼻を鳴らして泣く。
こんな泣き方は珍しいな。
よっぽど参ってるのか。





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