欲望ベイベー
第19章 末ズの憂鬱。
M side
こうと決めたら驚くほどの行動力を発揮する翔くん。
遅れを取らないように、クロゼットの中の物を整理がてらまとめていたのに・・・
なぜ、言い出さないのか。
不思議で仕方ない。
たった一言で良いのに。
・・・まさか、愛してないとか?
それは無いよな。
って普通に思う自分にちょっと引くけど。
でも、翔くんは俺にデレデレだ。
これで愛してないなんて言われたらブン殴ってやる。
N「・・・なんか良くわかんないんだけど。」
M「ああ、ゴメン。
悩んで泣いてるカズ見てたら、俺の悩みもなんか軽くなって。」
N「はぁ?ますます意味分かんない。」
M「お互い、変な意地は捨てた方が良いな。」
N「・・・それは・・・そうだけど。」
M「相葉ちゃんに言ってやれよ。
ロマンティックなプロポーズなんていらないって。」
N「・・・」
M「俺も翔くんに言うから。」
N「なにを?」
翔くんからの言葉を待ってるだけなんて、そもそもおかしな話だったんだ。
言ってくれないなら、俺から言えば良い。
M「愛してるって。」
N「今さら告白?!」
M「あははっ!」
そうだな、カズからしたら今さらなんだろうけど。
そっとカズを離して、部屋の隅に置きっ放しだったダンボールをクロゼットに押し込んだ。
愛してるって言ったら、翔くんビックリするかな。
N「・・・なんか、1人清々しい顔しちゃって。
やっぱ今日の潤くんムカつく。」
M「カズだって泣いてスッキリしたって顔してるけど?」
N「泣いたのは、相葉さんに内緒だからね。」
M「ふふ、了解。」