欲望ベイベー
第20章 結婚式。
恐らく、プロポーズされるであろう日。
ゲームをする気にもなれず、ソワソワしながら約束の時間まで過ごした。
こんなに落ち着かない時間を過ごすなら、仕事があった方が良かったかも。
N「何着てこう・・・」
いや、普通の服で良いんだけど。
たいしてオシャレな服なんか持ってないし・・・
N「・・・・・。」
なんとなく、白いシャツを選んでしまった自分が恥ずかしい。
だって、プロポーズされるんだし・・・
純白じゃないけど、白い服のが雰囲気出るのかなって・・・
ほら、サプライズを盛り上げる為の演出だよ!
あんま気張っててもオカシイし、あとはカジュアルにデニムにしてキャップを被って家を出た。
N「ちょっと早かったかな・・・」
タクシーを降りて、約束の場所へとそっと入る。
ココは庭も綺麗なんだ。
しばらく使われていなかったようであまり手入れはされていないが、様々な植物に囲まれていてまるで秘密の花園のよう・・・
なんてね。
柄にも無くロマンティックな事を考えちゃうくらいには、どうやらドキドキワクワクしているみたいだ。
N「あれ?」
少し離れた広場のベンチに、見知ったイケメンが2人。
N「ちょっと待って。
潤くんも翔さんも何であんなめかしこんでんの?!」
洋館をバックに、緑に囲まれた雰囲気のある庭のベンチに座るスーツの2人。
かなり絵になるが、どういう事だ。
話し込んでいて俺の事には全く気付いていない。
M「結婚式?!」
?!?!
潤くんが大きな声を上げた。
結婚式ってなんだ。
そっと近付いて耳をすませる。
M「待ってよ、俺なんにも聞いてない!!」
S「内緒だったんだ、ビックリした?」
M「当たり前じゃん!!
ホントに今から結婚式するの?」
S「ああ。」
M「もう・・・俺ホント翔くんに驚かされてばっかだよ・・・」