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欲望ベイベー

第20章 結婚式。



A side



A「到着ーーーーーっ!!」



乗り捨てるように車を降りると、今日何度目か分からない猛ダッシュで約束の場所へ向かう。



ホント今日走ってばっかだな!
疲れてないけどね?!



庭を抜けて大広間の前に来ると、急にドキドキと胸が騒がしくなる。
にのは今何を思ってるだろう・・・
サプライズプロポーズ、勘付いてるかな。
あいつ頭良いしな。



A「ゴチャゴチャ考えてもしょーがない!」



なるようになれ!!
気合いを入れて扉を開けた。



遅くなった俺に、にのがぷんぷん怒ったフリしてて。
翔ちゃんも松潤もおーちゃんも、おせーよって笑いかけてくれて。





・・・っていう場面を想像してたんだけど。



A「・・・・・え?!」



吹き抜けの高い天井に俺の言葉が響く。
居るはずのメンバーがいない。



控えめだけど綺麗な花たちで上品に飾られた広間は、俺が準備した時のままで俺を迎える。
そこは、驚くほど静かだった。



ちょっと待って・・・
何で誰もいないんだ?



おーちゃんは?
翔ちゃんと松潤は??



A「にのは・・・?」



ほりっぱなしだったスマホを確認しようとした時、人影が見えた。



A「・・・え、にの?!」



床に横たわるにのの姿を見て、焦って近寄る。



A「寝てる・・・」



倒れているのかと思ったが、スヤスヤと寝息をたてて眠るにのの顔を見てホッとした。


でも、何で1人こんな所で寝てんだ?
警戒心の強いにのがこんな無防備に・・・
しかも床だぞ。





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