欲望ベイベー
第20章 結婚式。
A side
A「結婚式ってこんな感じなのかなって思ったんだよね。」
N「え?」
A「こういう厳かな雰囲気の中で永遠の愛を誓うのかなってさ。
隣にいるにのちゃんがお嫁さんかぁって思ってた。笑」
N「・・・悪かったな、隣にいたのが俺で。」
A「ふふっ、可愛かったんだよ、あの時のお前。」
N「は?」
A「ギャーギャー言いながら探検してたのに、急に静かになって。
黙って俺の隣にいただろ?」
N「・・・・・」
A「何か言いたそうなのに、口むにっと結んでさ。
ウルウルの瞳で見上げてくるんだもん。
可愛すぎて、俺のお嫁さんみたいって言えなかったんだよ?
冗談にならない気がして。」
思えば、にのの可愛さに初めて戸惑いを感じたのかもしれない。
当時の俺はその戸惑いが何なのか全く分かっていなかったけど。
A「・・・ホントに、俺のお嫁さんになるなんて思いもしなかった。」
だって、にのは親友だったんだもん。
にのの両手をきゅっと握ると、なんだかドキドキとしてきた。
プロポーズって、緊張する・・・
A「にのより大事なものなんて俺にはないよ。
にのだけを愛してる。
ずっと、この先も・・・」
N「相葉さん・・・それって・・・」
にのの頬がみるみる赤く染まっていく。
なんなの、超可愛いんだけど!!
A「毎日にのを笑顔にしてあげる。
元気にしてあげる。癒してあげる。」
可愛い瞳から大粒の涙がポロポロと溢れていく。
ひっくひっくと喉を鳴らして泣くにのが、たまらなく愛おしかった。
A「いっぱい、いっぱい甘やかしてあげる。」
N「・・・っ、ひっく、それだけ?」
A「ふふ、」
涙でボロボロの顔で、まだ言葉をねだる可愛いにの。
耳元にキスをして、とびきり甘い声で囁く。