欲望ベイベー
第21章 翔くんの愛。
S side
M「・・・それはどうも。」
S「俺が前髪ある方が好きなの知ってたの?」
M「なっ・・・!!」
お、これは知ってたっぽいな。
じゃあ俺の為か。
S「さんきゅー♡」
ちゅ、とおでこにキスをすると、
真っ赤な顔で睨まれる。
M「なに、なんかご機嫌だね?」
S「お前は不機嫌だな?」
M「別に不機嫌なんかじゃ・・・
てか、前髪、別に翔くんの好みに合わせた訳じゃないから!」
S「はははは!!」
そこ拘んのか。笑
可愛い奴だなもう・・・
S「どっちだって良いよ。
俺好みの潤を今独り占めできて幸せだよ。」
ニッコリ笑ってやれば、むにっと口を噤んで照れているのを隠す潤。
M「やっぱご機嫌。」
ベンチの背もたれに凭れて、小さく溜め息を吐いた潤が視線を落として呟いた。
M「・・・カズのサプライズ結婚式を、俺にも内緒にしてたのは何で?」
S「・・・・・。」
潤から切り出したか。
ここからが、本題だ。
潤の目を真っ直ぐに見つめると、意外にもしっかりと視線を合わしてきて驚いた。
もっと不安そうな顔をしているかと思ったんだけど・・・
まるで睨んでいるかのような強い眼差しに、
そうだ、こいつは意外と気が強いんだったと思って少しおかしくなった。