
欲望ベイベー
第21章 翔くんの愛。
S side
S「潤!!」
俺の制止も聞かずに勢い良く扉を開けた潤が、ストレスを発散するかのように大声で叫ぶ。
M「今日の降水確率は10%だった!
なのに何だこの大雨は!!」
A「え、雨降ってんの?」
あれ!!
雅紀の奴来てんじゃねーか!!
N「どこ行ってたのよ2人共!!」
S「悪い、ちょっと・・・、」
痴話喧嘩してましたとは言えない。
O「すまーーーーーん!!」
N「えええ?!」
A「おーちゃん!」
S「わ、ビックリした!」
いきなり飛び込んできた智くんは、
すでに神父の格好をしていた。
神父らしからぬ汗を額に滲ませ、珍しく息を切らせている。
走ってきたのか、その格好で。笑
O「よし!さっさと始めるぞ!結婚式!!」
口々に似合うと褒められて満更でもなさそうな智くんが、俺らを一瞥して眉を顰めた。
O「俺だけじゃねぇか。
ちゃんとした格好してんの。」
新郎新婦である雅紀とニノは普段着で、俺らにいたっては全身びしょ濡れだ。
A「色々あったんだよね。」
N「おじさん1人張り切ってるみたいで恥ずかしいね。」
やたら似合う神父の姿をしている智くんが、確かに浮いている。笑
O「うるせぇ!とにかく始めんぞ!」
M「あ、ごめん。着替えて良い?」
S「え?!着替え持ってきてんの?!」
M「だって、パーティ終わってからどうせ誰かの家で飲み直すんだろうなと思って。
だから持ってきてんの部屋着だけど。
翔くんのもあるよ。」
S「なんて用意が良いんだお前は!!」
O「おい・・・ますます結婚式の雰囲気じゃなくなるじゃねぇか。」
N「風邪引くより良いんじゃない?」
A「こうなったらとことんカジュアル結婚式だね!笑」
O「俺の格好どうすんだ。」
N「大野さんはそれで良いんです。」
O「恥ずかしいんだぞこれ!」
A「あ!忘れてた!
にのちゃんもあるよ!!」
N「え?!」
