欲望ベイベー
第8章 急下降。
「ニノさん、大丈夫・・・?」
N「何が?」
「顔、怖いです・・・
怒ってる顔も可愛いけど。」
N「だから可愛いって言うな。」
「だって、可愛いですもん!
あっちにいる女優よりニノさんのが可愛いですよ!」
N「・・・お前、目がおかしいのか?」
「おかしくないです。」
「「「俺らはニノさんが好きなんです!!!」」」
N「・・・はぁ?!」
真剣な表情で、俺を可愛いという約一回り年の離れた男たち。
こいつら俺のファンなの?
両隣の2人がグッと近付いてきて、思わず怯む。
「俺らニノさんの親衛隊になろうかなって言ってて。」
N「は?」
「悪い男共から俺らの可愛いニノくんを守りたいんです!」
俺らのって何だ。
てかちょっと待て。
N「男共から守るってなんだよ!」
「・・・気付いてないんですか?!」
N「何が!」
「ニノくん・・・非公式のファンクラブめっちゃあるんですよ。」
N「はぁ?!」
ファンクラブ・・・?!
俺の?!
「会員はみんな男です。」
目眩がする。
「色んなファンクラブチームがあるんですけど、鉄の掟で
“ ニノくんと2人きりでは会わない”
っていうのがあって。」
「抜けがけはナシ、皆でニノさんを愛でるってのが基本なんですけど。」
さらに目眩がする。