欲望ベイベー
第12章 Nino in Wonderland♡
いや、袖という程布は無い。
着るまで分からなかったが、こんなに可愛いデザインのワンピースだというのに、肩まで出るざっくりとした胸元。
二の腕をほんの少しだけ隠すふんわりした袖に、なんの意味があるんだ?
胸から下はレースやフリルで華やかなのに、首回りが随分寂しいな。
N「・・・なるほど。」
ダンボールにはまだアイテムが入っていた。
付け襟を装備するわけね。
黒のレースの付け襟をつけると、コーディネート的にはまとまった感が出る。
あとはニーハイと、ワンピースの後ろにでっかいリボンを付けて・・・
N「・・・・・。」
鏡を見て吹き出しそうになった。
なんじゃこりゃ。
ハロウィンの仮装だな。
こんなんで相葉さんは喜ぶんだろうか。
まぁ、爆笑はとれると思うけど。
N「頭が寂しいな。
アリスってなんか頭に付いてなかったっけ??」
これがロングヘアーの女の子が着てるんだったらバッチリなんだろうけど、あいにく俺は短髪の男だ。
派手な衣装にはシンプルすぎる。
なんかノッてきたな俺。笑
サプライズで驚かすのが楽しみになってきた。
N「なんか帽子とかないのかなー。」
クロゼットをあさっていると、以前大野さんが相葉さんにプレゼントしたうさ耳を発見した。
N「お、アリスってうさぎも出てきたよな?
ちょうど良いのがあった♪」
うさ耳を装備して、改めて鏡に自分をうつす。
N「バッチリじゃん。」
地味な短髪黒髪も、うさ耳で可愛くなってるし。
うん、なかなか良いんじゃないか?
それにしても、俺って細いな・・・
マジで女みたい。
N「はくしゅんっ、」
やば。この格好サムイ。
N「相葉さん早く帰って来ないかなー。」
歩くと軽やかに揺れるレースのスカート。
んふふっ、何か楽しい。
相葉さんのリアクションはどんな感じかな?
想像したら余計に楽しくなってきた。
その時、ピンポーンと鳴って心がぴょんと跳ねる。
N「帰ってきたっ♡」
最後のアイテムの黒いヒールを履いて、玄関まで急いだ。