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誰も見ないで

第4章 真実と真実


こんなに好きなのに
片思いなんて、辛い


泣き喚く僕を大和くんは黙って撫でてくれる

そして僕はその温かい手に慰められながら、また声を上げて泣いた



只管泣き続けた土曜日は、空も泣いてるみたいに雨が降って

泣き止んだ夜には


デートじゃなくて良かったかも


なんてぼんやり思った

日曜日は腫れまくった目を月曜日のために治すのに使って、明日のお弁当のこと考えてた


作ろうか作らないか
じゃなくて

何作ろうかなって


土曜日あれだけ泣いたのになんでかっていうと
考えてみたら渡辺君は僕をからかってたわけじゃないんだなって気づいたから

友達が欲しかったから告白を受け入れたってことは
友達にはなってくれるんだ

それならまだチャンスがあるかもしれないでしょ?


それに
渡辺くんのこと、どうしても諦めきれないんだもん

僕のこと好きになって欲しい



そして迎えた月曜日
いつも通りの時間に家を出て、待ち合わせてた大和くんと会うと


「すっきりした顔してんな」


って言われた


「うん。ありがとう」


笑いながらそう言うと、大和くんは呆れたように笑いながらため息を吐いた

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