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誰も見ないで

第4章 真実と真実


「ううん。俺こそ、告白された時に友達からって言えなくてごめんね」


話しやすいようにって少し離した距離が切ないのと、紺野君にじっと見つめられるのが恥ずかしいので目を瞑ってコツンとおでこを合わせた


「紺野君に事故とか何もなかったんなら、俺が待ってたのなんてどうだっていいよ」


俺がそう言うと背中に回ってた紺野君の腕に少しだけ力が入る


俺が言いたいこと、ちゃんと伝わったのかな
待ってた時間なんてほんとにどうでもいいんだよ

紺野君がここにいるんだもん
今、ちゃんと


すると、背中の手がなんでか離れて行ってしまって


「ん?」


その手が俺の両頬を挟むようになった

そして


「大好きです」


って紺野君が言ったと思ったら


「!!!!!」


唇にむにゅ、と柔らかい感触が


その感触が紺野君の唇だっていうのを理解すると同時に頭の中で何かが弾けたみたいに何にも考えられなくなって

石になったみたいに身体はピクリとも動かなくなった


そんな真っ白な頭の中で最初に思ったのが


恥ずかしそうに目の前で顔を赤らめながら笑う紺野君がすごくかわいい


ってことだった

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