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誰も見ないで

第5章 好きになんて(サイドストーリー)


あー……そりゃ、昼休みになってから集めてたらこんな時間になるよね

みんな購買とかに散らばって行っちゃうし

先生もなんでせめて放課後とかにしてあげないのかな


俺は自分が持っていた財布を彼女から見えないようにポケットにしまう

そして最初は半分手伝おうと思っていたノートをその子の手から全て引き受けた


「えっ……」
「俺が持っていくから、教室戻って?」
「でも……悪いよ」
「今から運んでたんじゃお昼ご飯食べれなくなっちゃうよ。俺はもう食べたから」


ね? と優しく笑いかけると顔を赤くする


「じ、じゃあ……お願い、します……」
「うん」
「今度お礼にジュース奢るね」
「ありがとう。楽しみにしてる」


そう言うと、その子は自分の教室の方へと引き返して行った

その直後俺のお腹の虫が鳴く


偉いぞ
彼女の前で鳴かなかった


「はぁ……」


お腹すいた


そうして俺は昼休み中2度目の職員室へと足を向けた


全ての用事が終わったのは昼休みもあと3分の1って頃で、一応購買には寄ってみたけど当然何も売っていなかった


あと2時間授業受けたら終わりなんだけど、その2時間がキツイ

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