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誰も見ないで

第5章 好きになんて(サイドストーリー)


大学の入試問題かってぐらい応用しないと解けない問題だ

俺は相原大和のことでごちゃごちゃしていた頭を冴えさせるためにも頭の中で問題を解きながら黒板の方へと歩いた


前に着く頃には出来上がっていた答えを迷うことなく黒板に書いて手についたチョークの粉を払う


「解けました」
「流石原だなぁ」


くそ
まだにやにやしてる


けど問題自体は正解だったのか、数学教師は大人しく解説を始めた



教師へのイライラと相原大和へのモヤモヤで最悪な気分のまま、授業も残り数分になった時

「終わりにするか」と言った後、数学教師が俺の方を見た


やばい


「今日はノートの回収するから。そうだなー……じゃあ……帰ってから勉強する必要もなさそうな頭のいい原に集めてきてもらおうかな」


俺の悪い予感は的中
完全に嫌がらせだ


クラスからも少しザワザワと声が聞こえる

それはそうだ
前から目つけられてるって友達にも女の子にも言われてたし


「……わかりました」
「よろしくな。じゃあ、今日はこれで終わり。日直、号令」


今日の日直が号令をかけて数学教師が教室から出ると、すぐに友達に声をかけられる

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